- ミニメンタルステート検査
Mini Mental State Examination(MMSE)は、認知症の簡易判定検査で1975年、アメリカンのフォルスタインらが開発したものです。30点満点で11の質問からなり、見当識、記憶力、計算力、言語的能力、図形的能力などを調べます。20点未満では中等度の知的機能の低下と判断します。日本の長谷川和夫が開発した簡易知能評価スケールに似て、それより1年遅く発表されたものですが、英文報告され、簡便で優れたテストとして評価され、現在世界中で最も広く使われている認知症の判定簡易心理テストです。
ミニメンタルステート検査(MMSE)
30点満点の11の質問からなり、24点以上で正常、20点未満で認知機能低下と判断する
質問内容
1. 日時(5点)
今年は何年ですか。
いまの季節は何ですか。
今日は何曜日ですか。
今日は何月何日ですか。
2. 現在地(5点)
ここは、何県ですか。
ここは何市ですか。
ここは何病院ですか。
ここは何階ですか。
ここは何地方ですか。
3. 記憶(3点)
相互に無関係な物品名を3個聞かせ、それをそのまま復唱させる。
1個答えられるごとに1点。すべて言えなければ6回まで繰り返す。
4. 7シリーズ(5点)
100から順に7を引いていく。5回できれば5点。間違えた時点で打ち切り。
あるいは「フジノヤマ」を逆唱させる。
5. 想起(3点)
3 で示した物品名を再度復唱させる。
6. 呼称(2点)
時計と鉛筆を順に見せて、名称を答えさせる。
7. 読字(1点)
次の文章を繰り返す。「みんなで、力を合わせて綱を引きます」
8. 言語理解(3点)
次の3つの命令を口頭で伝え、すべて聞き終わってから実行する
「右手にこの紙を持ってください」
「それを半分に折りたたんでください」
「机の上に置いてください」
9. 文章理解(1点)
次の文章を読んで実行する。「眼を閉じなさい」
10. 文章構成(1点)
何か文章を書いてください。
11. 図形把握(1点)
次の図形を書き写してください。
- 三宅式簡易認知症判定テスト
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認知症の判定をする簡便なテスト。このテストは、「年齢」を聞くだけのものです。年齢が言えると認知症ではない、年齢が言えないと認知症があると判定します。あまりに簡単なテストですから間違いはあります。年齢が言えないとほぼ100%認知症としてよいが、言える場合はDSM-Ⅳの診断基準によると認知症である場合もあります。
テストの方法ですが、年齢が言えないと、すぐさま生年月日を聞きます。年齢が言えなくても生年月日が言える人は多い。生年月日が言えないと認知症はかなり進んでいる場合です。生年月日が言えないと昭和、大正、明治と元号で聞いてみます。
このテストが有効である根拠ですが、健康な高齢者でも新しいことは覚えにくいものですが、大切なことは覚えているものです。認知症になると大切なことさえ覚えにくくなります。誰にも当てはまる新しくて大切な記憶は年齢だけです。これに対して生年月日は古くて大切な記憶ですが、これは認知症の人でも覚えているものです。しかも年齢を聞くことは、検査者が知らないから教えてくださいという形でのといあわせであり、被検査者の感情を害さないと考えます(これに対して長谷川式スケールにある100-7の質問項目は答を検査者が知っており、いかにも試されているという印象を与え被検査者の感情を害する恐れがある)。認知症
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年齢
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生年月日
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