- ポジトロン断層法
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英語のpositron emission tomographyの略称でPETともよびます。放射性のある糖など静脈注射してその陽電子を検出して脳などの代謝や血流を調べる画像検査のひとつです。アルツハイマー病では脳の代謝が減少していることが把握できます。
- 保健師
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保健師は、地域保健の要となる専門職であり保健所および市区町村に置かれています。幼児から高齢者まで活動対象と幅広く、その一つとして認知症の人があります。外出も容易ではない介護家族にとって保健師の訪問は助かでしょう。また生活の場で介護のありのままを見ながら相談ができます。しかしホームヘルパー、訪問看護師、在宅介護支援センターなどの訪問が普及するなかで保健師の訪問や介護相談の役割は相対的に低下していると思われます。
しかし保健師の本来の活動は保健であり病気の予防です。認知症についてもその予防活動を行うことが保健師の役割でしょう。認知症の予防について科学的裏づけが蓄積されつつあるので、それに基づいた地域的な認知症予防活動に取り組んでいただきたいと考えます。
- 訪問介護
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介護保険では訪問介護員(ホームヘルパー)が行う行為を言います。訪問介護は、介護の内容で身体介護と身辺介護に、介護時間で滞在型と巡回型に分けることができます。訪問介護は在宅介護の要と言えますが、認知症の人を対象とした場合、一人暮らしの認知症の人への訪問介護、家族が居る場合は認知症の人の入浴を家族と一緒にしたり、散歩したりしますが、家族の介護上の苦労話を聞くことも重要と思われます。
現在ほとんどの訪問介護員は、介護福祉士か厚生労働省の規定による研修を終了した者が従事しています。なお訪問介護は訪問介護員が一人で、しかも一人暮らしの認知症の人を訪問する場合、金銭の不適切な授受や金銭の詐取などの事件が起きており、密室の訪問介護の危険性への対応が欠かせません。
ところでホームヘルパーは英語のhome helperとは必ずしも同義語ではなく和製英語に近い用語です。
- 訪問看護
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訪問看護は看護師による在宅医療です。訪問看護は、主に訪問看護ステーションの普及とともに全国的に広く行われ、介護保険のサービスとしても行われています。ただし訪問看護は医師の指示に基づけて提供されるという制限があります。
訪問看護の対象者として認知症の人も少なくありません。訪問看護は、看護師による観察評価、看護、介護家族への介護指導などですが、生活の場で認知症の人をみながら介護家族の話を聞き相談に応じることもできます。また在宅のターミナルケアでも訪問看護は欠かせません。訪問看護師は認知症や介護家族の心理の理解、介護家族との人間関係も大切となります。さらに訪問診療、訪問介護などとの連携も重要です。
- 訪問診療
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医師が、患者や家族の了解を得て、医師の計画のもとに定期的に患者宅を訪問し診療する行為です。不定期に緊急または臨時に訪問し診療する往診と分けていますが、これは保険診療上の扱いの違いであって、診療行為の実態はあまり違いません。 通院が困難な認知症の人への訪問診療は介護家族にとって助かるだけでなく、訪問することで医師は認知症の人と家族の生活の場を知ることができ、介護家族の相談に応じ、介護環境を知ることで家族により具体的に助言などできる利点があります。