- 100人会議
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正式には「認知症になっても安心して暮らせる町づくり100人会議」という。2005年7月に堀田力氏を議長とする100個人または団体からなる会議で、以下の宣言を採択し、「認知症を知り地域をつくる」キャンペーンを推進することにしています。
宣言:1.わたしたちは、認知症を自分のこととしてとらえ、学びます。2.わたしたちは、認知症の人の不安や混乱した気持ちを理解するように務めます。3.わたしたちは、認知症の人が自由に町に出かけられるように応援します。4.わたしたちは、認知症の人や家族が笑顔で暮らしていけるよう、いっしょに考えます。5.わたしたちは、市民や企業人としてできることを行い、安心して暮らせる町づくりをめざします。
- BPSD
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Behavioral and Psychological Symptoms of Dementiaの略語で、「認知症の行動と心理症状」と訳されています。よく使われる「問題行動」「副次症状」「精神症状」などを合わせた用語として認知症の状態をより客観的に言い表そうという意図から作られました。
- ビンスワンガー病(ビンスワンガー型白質脳症)
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ビンスワンガー病は、高血圧や脳の動脈硬化などにより脳の血流障害のため大脳白質(脳の深い部分)が広範に障害されることによって認知症が現れることがあります。急性に発症することもあり、徐々に進行することもあります。記憶障害、うつ状態、意欲の低下、など精神症状のほかに、神経症状としては、緩慢な動作、小刻歩行などがみられます。
頭部CTでは側脳室の周囲に対称性の広範な低吸収域がみられるます。
- ピック病
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1892年チェコの神経学者であるピック医師が初めて報告したのでこの名前があります。若年期に発症する代表的な認知症です。しかし発症当初から認知障害は目立たず、初めは性格の変化をして現れることが多い。几帳面な人が服装が乱れても気にしなかったり、きれい好きだったのに風呂に入るのを嫌がったり、頼まれた仕事を中途半端にするなどの変化から発病に気づくことが多い。家族は怠けている、不満がある、うつ状態などと思い病気に気づくが遅れることが少なくありません。本人は病気と捉えることは少なく受診を嫌がります。病気の進行と共に記憶障害などの認知症症状が現れてきます。頭部CTの検査では特徴的に頭の前の部分(前頭葉)の萎縮が著明です。
治療方法はなく、介護が中心となりますが、アルツハイマー病以上に困難なことが多い。通常の説明では納得しないばかりか、反論もしっかりしていることがあります。介護の基本は本人の合わせ言うことに逆らわないことですが、実際には難しい。
イギリスではピック病支援グループがあり、家族らに情報提供、電話相談、専門職への紹介、デイケアの試みなどが進められています。
最近はピック病を前頭葉型認知症と呼んだり、前頭葉側頭葉型認知症グループの一疾患としてとらえることが多くなっています。