- なじみの環境
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認知症の人は記憶障害が進み、判断が障害されてくると、今生活している環境について総合的で的確な判断ができにくくなり、混乱することがあります。しかし昔の記憶はかなり残っており感情活動も活発なことが少なくありません。こうした残った能力に合わせて、親しみや安心感を抱くような「なじみの環境」を作ることで認知症の人が精神的に安定することがよくあります。特にグループホームやユニットケアはこうした事も意図した対応と言えます。病院のような殺風景な環境ではなく、少しでも家庭的な雰囲気と暖かみのある環境で認知症の人が生活を送れるように援助したいものです。
- ナン・スタディ
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ナン・スタディThe Nun Studyは、アメリカ・ミネソタ州のマンカトのノートルダムの高齢のシスターを対象として、加齢による心身の機能やアルツハイマー病に関する追跡調査を行っている研究のことです。1986年に始まった研究は対象者の生活歴が正確に把握し、ほとんどの対象者は死亡するまで追跡でき、さらに死後はすべての人が脳を研究のために利用することを約束しています。ケンタッキー大学が中心となって行われているこの研究からアルツハイマー病と加齢に関する多くの知見が得られています。