- クロイツフェルト・ヤコブ病
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ビールスより小さい病原性をもつプリオンという蛋白質で運動障害や認知症状態を発症し進行の早い病気。ドイツのCreutzfeldtとJakob医師が初めて報告し、単にヤコブ病とも言います。記憶障害が急速に進み、不随意運動など神経症状も現れる進行の早く、1年以内に70%が死亡します。100万人に1人ほどの稀な病気であったが、海綿状脳症(BSE、狂牛病)との関連で注目され、人に感染した場合変異型クロイツフェルト・ヤコブ病と呼ばれていますが、病態は同じと考えられています。イギリスで多発し、わが国でも1名の患者が報告されました。また日本では脳外科治療でこの病気のプリオンに汚染された硬膜の移植によって発病している例が少なからずあり、薬害として裁判にもなりました。この病気は感染する認知症とも言えます。
- グループホーム
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従来からある多人数の高齢者を一律の日課で介護する施設が認知症高齢者にも好ましくないと、スウェーデンで導入されました。この認知症高齢者向けのグループホームが我が国にも紹介され1980年代後半から少しずつ普及し、その後「認知症対応型共同生活施設」として制度化され、さらに介護保険の在学介護サービスとして導入された後、急速に普及しています(2004年現在、5 449施設、利用者約7万人)。
このグループホームは、個室と共同スペースがある空間で10人前後の小規模でより家庭的な雰囲気のなかで、できるだけ「普通の生活」を保障しようとするものです。このグループホームが、すべての認知症高齢者に相応しいとは言えませんが、多くの認知症高齢者にとってより安心した生活を営むことができ、穏やかになり「問題行動」も少なくなることが多い。
小規模のためこれを利用できる認知症高齢者は限られており、また自己負担が高いところがあり、すべての高齢者が利用できる状況にはありません。また急速に増えたにもかかわらず介護専門職の対応が追いつかず、数名の職員で維持される小規模施設に伴う密室性のため介護の質の面で問題を起こすグループホームもあります。団体として「全国痴呆性高齢者グループホーム協会」などがあります。